第7章 望む答えと望まぬ答え
「影山くん、翔陽、もう暗いからこの辺にしましょ?」
レシーブをしつつ罵声を飛ばす二人の真ん中に割り込み、翔陽の腕にボールが落ちる前にとり、二人に視線をやる。
そして二人はやっと周りの風景に目をやる。
「やっべ!千帆自転車とってくるべ!」
あたりの暗さに驚きつつ近くにおいた自転車を取りに翔陽は河川敷から離れ道路へと飛び出し、影山くんは近くにおいた鞄を手に取る。
そんな彼に一声かけるが機嫌の悪い彼はジロリとこちらを睨む。だが私はそんなのを気にせず話しかける。一々気にしてたら話なんて進まない。
「影山くん、君は主将が言ってた意味、ちゃんと理解しているの?」
「は?」
「君、勉強面だけじゃなくて、道徳面も頭、わるいのね。」
そんなのだから王様って呼ばれるのよ、と言うと彼は私に近づき胸ぐらを掴む。
(普通女子の胸ぐらなんかつかまないわよ)