第7章 望む答えと望まぬ答え
「テメッ!」
「悔しい?でもね、それが事実なのだから仕方ないじゃい。【王様】」
ふっ、と笑い彼の胸ぐらにある手を振りはらいパンパンと皺を伸ばす。その光景を黙って見つめる影山くん。
「影山くん、失ってから後悔するならやめてしまいなさい。セッターも、バレーも、人間関係も」
「………」
私の言葉に黙って聞く彼の瞳をじっと見つめもう一度問う。
「貴方は主将が言ってた意味、ちゃんと理解しているの?」
「………………」
答えは帰ってこない。
「正直に言うとね、影山くんが羨ましいわ。大好きなことができて、形振り構わず直進できるあなたが。」
自嘲気味に笑う私はただ妬ましいのだ。
影山くんも
翔陽も
バレー部の人達も
私がないものを持っている彼らが妬ましい。