第6章 目覚める心
時刻は早朝からお昼に変わり、生徒たちがざわざわと騒ぎ始めるなか私はお母さんに用意してもらったお弁当をもって教室を出た。
「千帆ー!!」
向かった先は校舎裏。
理由は勿論、対抗戦に向けての練習だ。
影山くんにレシーブが酷いと言われて、トスをあげてもらうべくこうして昼休みも練習に費やすこととなった。
「菅原さんの手を煩わしてすみません」
「いいよ、それぐらい。俺がやらなきゃ千帆ちゃんがトスを上げるんだろ?」
それ以上悪化させて苦しむのは千帆ちゃん自身なんだからさ、と柔らかく笑う菅原さんの親切を受け取りつつ、お弁当をあける。
やはり皆優しい。
(翔陽と同じところにきてよかった…)