第5章 絶望
*語り 千帆
夏の総体。
それは三年間の練習を発揮する場となる。勿論私の中学もその一つだ。
「ほらほら声だしてけー!!こんなんじゃ目立たないぞー!!」
キャプテン兼セッターを務める私はその時相当緊張していたし、全国大会出場というのは我が校初、と言うこともあって重荷にもなっていた。
「キャプテンー、リラックス、リラックス。顔ガチガチー」
変な顔ー、なんて能天気に笑う副キャプテンの明るさだけが唯一の助けでもあった
「そんなこと言われてもねー」
こればっかりはどうしようもないよ、と苦笑いしながらボールを拾う。
次勝てば決勝、と言うところまで来ているんだ。緊張しない方がおかしいと思う。
それに、緊張のせいかどうかわからないけど、肩がピリピリする。
(大丈夫、よね?)