第3章 エウリュディケ荘園
エマ「屋敷に入って左手が食堂なの!今は誰も居ないと思うからゆっくりしててなの」
そういうとエマさんは、部屋を確認してくると言って二階へ上がっていった
『……大人しくしていた方が身のため、かな』
言われた通り左に向かうと重そうな木の扉があり、開けるとテーブルクロスの敷かれたテーブルがある部屋に出た
『綺麗なものだな…そこそこの年数が経っているはずなのに』
食堂の奥に目をやるといくつかの扉があった。部屋のようなものだろう、ここには生活に必要な物事の部屋が揃っているらしい
『変に散らばってるよりマシだな』
歩き回るのも気が引け、テーブルとセットで置いてある椅子に腰掛けエマさんを待つことにした
『……(一体ここはどういう施設なんだ、ただのゲームなら森奥に参加者を集めることもないだろうに)』
悶々と考えながら、脚を組んだり組み替えたりする
『……(聞いた方が早いのか?いや、知っている人も少ないのだろうか)』
謎は深まるばかりだなと終結させ、顔をあげると誰かの顔があった
『っうわ!!』
思わず椅子を倒した。その勢いで距離をとる
『…誰だ、アンタ』
エマさんじゃない、参加者の一人か?確かに他に人がいるみたいな話はしてたが
?「おぉ、すまねぇ。見ない顔だと思ってつい…」
じっくり観察すると、少し低めの男性だとわかった。勿論声からも分かるのだが
『いや、少し驚いただけで……こちらこそすまない』
細身の体に深く被ったフード、パッと見は男性とは思わないだろう
?「新しいサバイバーか?俺はナワーブ・サベダー、傭兵をやってる」
『…セツナ・フロード、ゲームについてはまだ分からない』
ナワーブ「へぇ、なんかお前イソップとかと似てるな」
『…社交恐怖とかとは違うから、もしその方がそうなら一緒にはしないで』
ナワーブ「ふーん、そういうもんなのか」
僕は社交恐怖ではない、会話とかはできる。極力関わりたくないだけだ
そんな話は露知らず、話しかけてくる彼とうまく話し、エマさんが早く戻ってくることを願った