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【第五人格】詐欺師の仮面

第3章 エウリュディケ荘園


ーーナワーブside
ナワーブ「段階的な治療……あ"ーっ!駄目だ、頭痛くなってきた」




イライ「今日はもう休んだ方が良いね、セツナは私が預かるよ」




イライのその提案は、セツナ的にも俺的にも有難い。流石にああいうことの後で一緒は気まずい




ナワーブ「すまねぇな……コイツのこと頼んだ」




イライ「あぁ、任されたよ。おやすみ、ナワーブ、エミリーさん。良い夢を」




そう言うとイライは、セツナを抱えて食堂を出ていった




エミリー「私達もそろそろ寝ましょう」




ナワーブ「だな、さっさと寝るか」




くぁっとあくびを溢してから、自室に戻った




ーーーーー
『………ん、』




イライ「起きたかい?」




『……?おき、た…』




何でイライの声がするんだろう……あぁ、頭が働かない




『……なんで、イライが?ナワーブは?』




イライ「ナワーブなら、と言うかほとんどの人達は寝たよ。酒飲み達はまだ起きているけれど」




『そっ……か、で、何でイライが?』




イライ「酔い潰れた人を放っておけとでも?ナワーブが中々に手を焼いていて面白かったよ」




『僕も、それ見たかった……』




イライ「その言い分だと覚えていないようだね」




その言葉に疑問が浮かぶ、僕はずっと寝ていたわけではないようだ…が、思い出せない




イライ「さぁ、夜も更けた。そろそろ寝ないと明日に支障が出るよ、部屋にはそれぞれ簡素なシャワールームがある。明日入ると良い、では良い夢を」




そう言い残し扉へと歩むイライ、その背中を見ると何故か苦しくなった




ねぇ……イライ…




イライ「……っ、どうしたんだい?」




その声にハッとする、イライの服の裾を遠慮がちにだが掴んで引っ張っていた




『ぇ……っと、僕…苦しいんだ。とても…イライが僕から離れただけなのに辛いんだ…っ』




イライ「うん…」




『なん、て…どう言えば分からない…分からないんだ。ただ、言えるのは……』




そこで息を吸いゆっくりと呟いた




『……行かないでくれ』




イライ「……うん、今はまだ分からなくて良いんだ。いつか分かるから」




ココにいてくれ…永遠に……
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