第3章 エウリュディケ荘園
イライ「寝るのは良いんだけれど、着替えてきてもいいかい…?」
『…戻ってきて、くれるなら』
裾を手放し、チラリと扉を見る
イライ「勿論だよ、少し待っていてくれ。必ず戻るから」
そう言って、イライは軽く僕の頭を撫で、そのまま頬を優しく撫でた
『……ん、分かった』
その言葉を聞き、イライは部屋から出ていった
ベストやシャツを脱ぎ、トランクに詰める代わりにパーカーとゆるい半ズボンを取りだし着る
洗濯は明日でいいやなんて考えながらトランクをベッドの下に戻す
『………』
トランクの中から小説を取りだし、ベッドの上で読み始めたが、徐々に瞼が落ち始めた
ーーーーーーーーー
なんだろう、とてもふわふわする。とても暖かい、ぽかぽかする……
うっすらと目を開けると、目の前に誰かがいた
?「あぁ…起こしたかい?時間がかかってしまって申し訳ないね」
ほわほわする頭の中でその声の主を記憶の中で辿る
『い…ぁい?……おかぇ、り』
モゾモゾと動いていると、イライがゆっくりと抱き締めてくれる
イライ「ふふ、ただいま。気づいてくれて嬉しいよ」
『ん……いぁいの眼、きれい』
イライの蒼い瞳を見る、なんだか心がスッキリする
イライ「ありがとう、ほらもう少し寝よう。まだ朝じゃないからね」
『………おゃ、すみ』
イライの顔を見ながら、微笑むとイライも微笑んでくれた
イライ「おやすみ、良い夢を…」
イライにギュッと引っ付くと、眠るまで頭を撫で続けてくれた