第3章 エウリュディケ荘園
ーーナワーブside
『ナワーブが馬鹿って言ったぁ』
そう言ってクスクスと笑うセツナ
ナワーブ「どう考えても馬鹿だろ」
確証がほしいからって出会って間もない奴とキスなんて馬鹿しかしないだろ
『馬鹿じゃないし…この方法しか知らないもん』
ナワーブ「だからって……チッ、お前まだ酔ってんだろ」
そう言うと、またクスクスと笑うセツナ
『酔ってないよぉ、あ、でも頭は痛い』
ナワーブ「酔ってんだろ、ほら水飲んで早く寝ろ」
『はぁ~い…』
コップに入った水を全部飲ませて、部屋の中に押し込む
ナワーブ「いいか、今日はもうさっさと寝ろ」
『……ナワーブは一緒に寝てくれないの?』
ナワーブ「おー、さっさと寝ろよー」
今のコイツに何言ってもロクな返事はこねぇ、適当にしてりゃ諦めるだろ
『むぅ…分かったよ』
大人しく部屋に入ったかと思うと、トランクの中を漁り始めた。なにしてんだ?
『ん~……ぁ!あったぁ』
白い粒の入った瓶………?
ナワーブ「おい…それなんだ?」
ベッドにのそりと乗りながらゆっくり口を開く
『ん~とね、睡眠薬っ』
ナワーブ「………は?」
『……?』
ナワーブ「待て…今飲むのか?」
酒抜けてないよな…?いいのか、これ…いや
ナワーブ「ッ、おい!ちょっと待てっ、来い」
ベッドに座っているセツナを引っ張り上げ、部屋から連れ出す
『?…どぉしたの?ナワーブ、どこ行くの?』
ナワーブ「良いから来い、エミリーに聞かねぇと薬は飲ませられねぇだろ」
『大丈夫だよぉ…いつも飲んでるからぁ』
ナワーブ「…状況が違うだろ、いつも飲んでても駄目だ」
そう言いながら、まだ皆がいるであろう食堂に足を進める
ナワーブ「おい!エミリーいるか?」
エミリー「あら…どうしたの?一緒に居るのは…」
ナワーブ「今は後だ!聞きてぇことがある、なるべく手短に頼む」
エミリー「分かったわ、取り合えず状況を説明してちょうだい」
その一言を言い終わる前に、俺は口を開いた