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この愛は呪いだ【呪術廻戦】

第7章 夏休みは任務です②~大人の階段登る編~







「無下限ナシのハンデで、私に勝てるとでも?」


「逆だよ、逆〜っ!」


「あ?」


「オマエに無下限なんて使うまでも、」


『はい、ストーーーーップ!』




そこまで、そこまで!
なんて間を花子が割って入ってくるから、感情任せに出た言葉たちは途中で宙を舞う。体調が悪いと傑から聞いていたが、オレからすれば元気そうに見えた。


そもそもだ。
元はと言えばオマエが遅刻なんかしなければ、傑のエゴみたいなド正論を聞いてケンカすることも無かったんだから、実際に悪いのは花子だろう。




「花子大丈夫か?来なくても良かったのに、」


『ん、大丈夫。心配してくれてありがとう。』


「んだよ、ピンピンしてんじゃん。傑から体調が悪いって聞いて心配して損したわ。」


『え?』




くりくりとした瞳を更に真ん丸にした花子は傑の隣で、びっくりしたようにオレを見つめる。隣にいる傑は傑で、肩を震わせながら笑いを堪えていて。


それはそれは、実に面白くない。一体なんなんだ。




『あ、あの五条が・・・私を心配?』


「オマエなぁ、オレを何だと思ってるわけ?」


『傍若無人、唯我独尊、ナルシスト、ドS、ナルシ』


「あーーーー分かった分かった。黙れ黙れ。」




大人しく聞いていれば、悪口ばかりをペラペラと並べる花子にそりゃあイラ立ちもするけれど、その表情(かお)は口から出てきた言葉たちとは相反して可愛らしく笑うもんだから、そんなことは一瞬にしてどうでもよくなってしまう。



「クラスメイト。オレたち4人しかいないんだから、そりゃ心配くらいするだろよ。オマエだって昨日、」


『あーーーーその話はやめて、ごめん。私が悪かったからっ、』




傑の隣から今度はオレの前へとやって来ると、背伸びをしてオレの口をその細くて華奢なて手で必死に塞ぐ。花子の指がぶつかる自分の唇が少しずつ熱帯びてきたのは、きっと、いや多分絶対、夏のせいだろう。


そうして本当に元気そうに見えたから、予定していたメニュー(よりも多少多め)をこなし始める。遠慮なく何度も何度も花子を吹っ飛ばしては、傑が連れ戻し、折れてしまった骨は硝子に2、3度治させた。



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