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この愛は呪いだ【呪術廻戦】

第7章 夏休みは任務です②~大人の階段登る編~







『・・・っん、・・・暑っついな・・・・・ん?・・あれ?』



あ、ここ傑の部屋か。
そう思い身体を起こした瞬間に、しっかりと現実の世界に引き戻された私は傑と身体を重ねた様々なシーンが走馬灯のように駆け抜けた。



『傑?』



シーンと静まりかえる部屋に傑はいないだろうと思ったが、念の為名前を呼んでみる。が、もちろん返答などはなく、ひとまず机の上に置いてある携帯を開いく。



『は?』



時刻は午前10時15分で、 びっくりして思わず大きな声が出た。



『やっば!遅刻じゃん!殺されるっ!』



殺されるは流石に言い過ぎだと思うだろうが、今日は私の為の体術メニューであり、そんな私が遅刻したとなれば五条に殺される(寸前までぶん投げられる)のは明々白々だった。(でも今回は私が悪いので、何も言えない。)


そうして大した服も着ていない自分に恥ずかしくなりながらも、ベッドの下に綺麗に畳まれた服たちを手に取り素早く着替える。薄々は感じていたが、いざ立ち上がると下腹部やら背中やらが地味に痛い。


・・・これ、硝子に治せるかな?
いやいやいや、ヤったなんて言えないか。そもそも筋肉痛は治せなかったはず、などと遅刻したにも関わらず、頭の中は依然として今朝の行為のことばかりでぐるぐると巡る。


痛重い身体に鞭をうち、走りながらグランドへ向かうと、日陰で伸びてる硝子とその先で本気でやり合ってる(ように見える)傑と五条がいた。




『ごめん!硝子!寝坊しました!』


「おっ、来たな。裏切り者・・・っ、」


『え?私裏切った?』


「花子が来ないから、私まで走らされたじゃないか。全く花子がこないから、私まで・・・私まで・・・っ、」



そう泣いたフリをしながら、日陰で寝そべる硝子にごめんね、と謝ってはみたが正直に言えば硝子ももう少し走って体力を付けた方がいいと思う。しかし、遅刻をした裏切り者などにそんなことを言う権利などは皆無なので今日のところは何も言わないでおいた。




『ところであの2人は何を?』


「あー喧嘩だね。」


『なんで?』


「まぁいつものアレだよ。」



ため息まじりに硝子は空を仰ぐ。硝子の言ういつものアレは大方予想がついた。きっと傑の正論にエゴだの弱いだの五条が言い返して、今に至るのだと思う。

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