第7章 夏休みは任務です②~大人の階段登る編~
「クッソー」
「また五条の負けか。ホント賭けにもならないな。」
「うるせぇーよ、硝子!」
「まだやるかい?悟。」
「あぁやるね、勝つまでやるね。」
任務が終わり、花子と硝子が出迎えてくれたおかげで4人が揃ったので、悟のお金で夏休み中に食べようと決め買い込んでいたお菓子やらなんやらを広げマリカーをしていた。毎度のことながら集まる部屋が今回も私の部屋なのは少しばかり不服ではあったが、こういう時間は存外楽しい。
「勝つまでなんて言ってたら明日になるぞ?」
「いーや、次はオレが勝つね。」
「おい、クズ共。そんなことより花子はとっくに寝てるぞ。」
「マジ?」
「大マジ。」
「全く仕方ないなぁ。」
なんて深いため息を吐いた私に意味深な顔で肩をぽんと叩く硝子。言わんとすることは分かっている。
「仕方ないなんて思ってないくせに。」
「むしろ絶好のチャンスだと思ってるくせに。」
「まさか、そんなこと思っていないさ。」
「胡散臭いね〜。」
「胡散臭いな〜。」
「好き勝手言いやがって。」
悟と硝子はいつもこういうときに限って、息ぴったりで。思っていないなんて言ったけれど、もちろんあわよくば・・・なんてオトコなら(彼氏なら尚更)思ってしまうのは仕方のないことだろう。
口酸っぱく花子には私の部屋に入るなと言っていたつもりだが(今回はみんながいるのでOK)みんながいるとは言え彼氏のベッドで眠るなんて無防備にも程があるだろう。
「花子〜、起きないと夏油に食われるぞ〜。」
「全く信用ないな、シないさ。明日は訓練があるし、明後日にはみんなで任務もあるだろう。」
「ふーん、じゃあ訓練なくて任務も無かったらシてたってこと?」
傑のえっち!なんて馬鹿なことを言う悟をひと睨みする。
でもまぁ実際問題間違ってはいないし、それ以上否定はしなかった。
それに、やっぱりこれはどう考えても花子が悪いだろう。私じゃなくて他のオトコの部屋で寝ていたら付き合っていようがいまいが関係なく抱かれてしまう、ということをきちんと教えなければいけない。
そんなことを考えているなんて露知らずの花子はさぞ気持ち良さそうに寝息をたてていた。