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この愛は呪いだ【呪術廻戦】

第6章 夏休みは任務です①~お手並み拝見編~







「じゃあ、悟。おやすみ。」


「どうりでタイミングがいいはずだよな。」


「まぁね〜。」



私がおやすみと言ったことで、夜蛾先生からの伝言など元々ないことに気が付いた悟は、大きなため息をひとつ吐いた。予想通り相当機嫌が悪そうなので、ここはあまり話さない方が得策か。



「夜蛾の話まではったりだったとは思わなかったけどな。」


「それは演技したかいがあったよ。」


「いつから?」


「何が?」


「全く白々しいね。あー怖い怖い。」



オレは寝るぞ、そう付け足すと悟はさぞ不機嫌そうな顔をしたまま、ヒラヒラと手を振り自室へと入って行った。


白々しいなんて悟は言うけれど、築年数も古いこの寮で声を荒らげていたら、そりゃあ聞きたくなくても自然と聞こえてきてしまうだろうよ、と心の中で呟く。ましてやその相手が彼女ときたら、黙って居られるはずもない。


いつだって2人は気が付けば些細なことで(悟が悪いことのが8割)言い合いをして、また気が付いたときには2人でゲラゲラ笑っている。


お互いに“気が合わない”とよく言うけれど、私はその逆なんじゃないかと思っているし、なんなら嫉妬もしている。本音を言えばこのままケンカしたまんまで居てくれれば・・・なんて情けないほどに醜い考えも一瞬頭を過ぎったが、4人しかいない仲間だ。みんなで仲良くしていた方がいいに決まっている。


そう思うからこそ自室へと戻る前に、花子の部屋の扉をノックする。(決して2人きりになりたいという下心ではない。決して。)



「花子?私だ。まだ起きてるかい?」


『・・・。』



問いかけに返答はなく、もう一度だけノックをしてみたが、やっぱり返答はない。イケナイことだと思いながらも、扉に手をかけるとソレはいとも簡単に開いた。



「なんだ、起きてるじゃないか。」


『傑、私入っていいよって言ってない。』


「なら、鍵は閉めておかないとね。不用心すぎるよ。」



扉が開いて良かったと嬉しく思う反面、鍵をしていないことの不用心さに叱りたくなってしまう二律背反が生じた。が、悟と揉めた後だ。今日は多めに見よう。


ベットの上で膝を抱えて座る花子の横に腰掛ける。いつもと違う不機嫌そうな顔も可愛いらしいと思うのだから、恋とはとても奇妙である。


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