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この愛は呪いだ【呪術廻戦】

第2章 体術体術ときどき座学








「五条もどこか怪我してるのか?」


「いーや。オレはどっかの超貧弱オンナとは違うからピンピンしてるね。」


『超貧弱で悪かったわね!』


「じゃ、何の用だ?」



花子の治療を終えた硝子がオレに目を向ける。今日は華の金曜日、しかも夜蛾は出張任務ときた。やることは一つしかないだろう。



「今夜はみんな大好き宴で~す。花子の歓迎会も兼ねてね。」


『あ、私って歓迎されてたんだ。』


「傑の部屋に19時集合だから。ちなみに今傑が買い出しに行ってる。」



硝子がどうせオマエガがパシったんだろう、とオレの自慢の長い足に蹴りを入れる。まぁ間違いではないのだが、少し語弊があるのですかさずに訂正をする。



「今日はオレの奢りだよ?それにお酒も買ってくるように言ってある。」



そう言えば硝子は、ありがとうございますと深々と頭を下げ、分かりやすく手のひらを返してきた。そういう利己的な人間は嫌いじゃないし、むしろ善人のように見せてくるやつより何倍も信頼ができる。それは傑も同じだし、まだよくは知らないが花子にも通ずる部分があった。




『お酒?硝子タバコだけじゃなくてお酒も飲むの?』


「まぁな。花子は飲まないのか?」


『いやそもそもまだ飲んだこともないよ。』


「そうかそうか、ハジメテか~。」



なんてじゃれ合う二人を見て、硝子はこんなにも笑えるのだと知れた。野郎ばかりの中で心配(硝子はそういうタマじゃないとは思うが、)していたが、花子が来て変わったのは言うまででもない。



『ってか、五条の奢りって言った?』


「言ったけど。」


『えー、怖い怖い。何か企んでる?』



と花子は怯えた子犬のような目でオレを見る。まじでどいつもこいつもオレを何だと思ってるの?と言いかけたが、それよりも早く硝子が答える。



「大丈夫、コイツん家腹立つくらいボンボンだから。」


「昨日の座学で日本三大怨霊の話したの覚えてる?」


『平将門と崇徳天皇と菅原道真、だっけ?』


「そ。で、その菅原道真って簡単に説明するとオレのご先祖様になるんだよね。」



だからオレ超お金持ちなの、そう付け足すと花子は信じられないとでも言いたげな顔で、大きな瞳を丸めた。


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