第79章 瞳の中の暗殺者11
松田side
小五郎「じゃあ、松田達は知ってるか?昔から仲良いだろ?」
松田「…」
貴「…ごめんなさい…」
萩原「……っ」
毛利探偵が前に出すが、俺達の事も忘れられる。この分だと、降谷達も思い出せないだろう
俯く怜花に俺達はそれ以上、何も言えなかった。
無事なのは嬉しい。けど、大切なお前に忘れられた事は今までの何よりも……心が、痛かった…
★★
すぐに心療科の風戸さんに診てもらう
風戸「自分が誰だかわかる?」
貴「…」
風戸「それでは、今日、何があったか覚えてるかい?」
貴「…いえ」
風戸「アメリカの首都は?」
貴「…ワシントン」
風戸「5×8はいくつですか?」
貴「40…」
風戸「このボールペンの芯を出してみて下さい」
貴「…」
怜花は指示に従い、芯を出す
第四会議室
俺達は、風戸さんに話を聞く
小五郎「逆向健忘!?」
風戸「はい。実際の疾病や外傷によって、損傷が起こる前のことが思い出せなくなる記憶障害のひとつです…ただし、怜花ちゃんの場合、目の前で佐藤刑事が撃たれたのを見て、強い精神的ショックを受けたためと考えられます…」
松田「それで、怜花の記憶は戻るんすか?」
風戸「今の段階では何とも言えません。ただ、日常生活に必要な知識の点では、障害は認められませんでした…」
英理「それじゃ、普通の生活はできるんですね?」
風戸「そうです…ですがとりあえず、何日か入院して様子を見てみましょう…」
風戸さんは部屋を後にする
コナン(しかし…目の前で知り合いの刑事が撃たれたら、怜花がショックを受けるのは当然だが…記憶喪失になるほどだったのは、何か他に原因があったんじゃねぇか?もっと、怜花の心をえぐるような何かが…くそっ、なんで傍にいなかったんだ…俺がいれば…)
ガラッ
高木「失礼します…佐藤さんの手術、終わりました。弾は何とか摘出されましたが、助かるかどうかは微妙だそうです…」
全「!!」
目暮「そうか…」
小五郎「警部殿!こんなことになっても、まだ話してくれないんですか!?」
目暮「ううむ…」