第65章 11人目のストライカー35
コナンside
コナン「そんな…ボールはあの一球しかねぇってーのに…」
いや、替えがあったとしてもこれじゃあ…さっきの爆発が3回目ってことは、もう残り2分を切ってる
…どうする。
瓦礫が邪魔で直接ゴールポストが狙えねぇ。
…どうする。
既に手持ちのボールも無ぇ。
…どうする!!
歩美「コナンくーん!!」
コナン「!歩美!?」
歩美「助けに来たよー!!」
コナン「早く逃げろ…!爆発するぞ!!」
歩美に続き、光彦に、元太の姿が見える
コナン「オメーら!早く逃げろっつってんだよ!爆弾を止めようにも、もうボールがねーんだ!」
元太「ボールならまだあるぞ!!」
コナン「ヒデの、サインボール…」
元太が掲げているのは、大事そうに持ち歩いていたヒデのサイン入りのボール
元太「なんだかよく分かんねーけど、このボールで爆弾が止まるなら…行くぞ光彦!」
光彦「え、いいんですかそのボール…」
元太「しっかり受け取れよ…!」
元太が思い切り蹴ったボールは、光彦の元へと渡る。大事そうにそれをキャッチした光彦は強い眼差しで歩美を見る
光彦「歩美ちゃん、頼みます!このボール、コナン君に!」
歩美「うん!」
コナン(…おめーら)
光彦から歩美へ渡ったところで、不安そうに瓦礫の先を見つめた。
歩美「どうしよっ…あんな遠くまで…歩美、蹴れないよ!」
光彦「瓦礫さえ超えれば大丈夫です!」
元太「サッカー教室を思い出せ!」
歩美「うんっ」
コナン「…オメーら」
頷いた歩美は、地面にボールを置くと少しずつ後ろに下がりながら
歩美「行くよ、コナンくん…!えいっ!」
掛け声と共にボールが宙に浮く………けど、ボールはあとほんの少しのところで、瓦礫に当たって奥へと弾かれる
哀「…全く、最後まで面倒かけさせるんだから」
光彦「灰原さん!」
元太「やったー!」
歩美「哀ちゃん、お願い!そのボール、コナン君に!」
歩美が投げた場所に遅れて来てくれた灰原。
哀「OK。(工藤君、皆の想い…貴方に預けるわよ)……受け取りなさい!!」
ガンッ
勢いよく蹴ったボールは、俺の所へ飛んできた