第63章 11人目のストライカー33
コナンside
コナン「よせ!そんなことしたって、知史くんが悲しむだけだぞ!」
中岡「悪いが、もう後戻りはできねーんだよ」
コナン「やめろ…っ!!!」
俺の言葉は虚しく、大きく爆発音が俺の声をかき消し、スタジアムを崩し始める
中岡「これで爆弾を止める方法は1つしかなくなった。電光掲示板を見てみな、…今となっちゃ無意味だが、ストライカーへの試練としてこれから1分おきに爆破が繰り返される仕掛けになっている」
中岡さんの背後にある電光掲示板には3分40秒と表示されている…つまり、次の爆破は3分を切った時
中岡「…小僧、お前の推理には一つだけ大きな間違いがある」
コナン「まさか、ここじゃないのか…!?」
目を見開いた俺に、動揺を無くした中岡さんが口元に笑みすら浮かべながらも話す。
ここは脅迫状に書かれたスタジアムに含まれていないこと。
あの時点ではこの東都スタジアムには爆弾は仕掛けていなかったこと。
…ここは10番目ではなく“11番目”のスタジアムだってこと。
コナン「じゃあ、10番目のスタジアムは……、国立競技場!?」
頭に浮かんだのは、今きっと会場にいるであろう蘭と園子…そして、怜花
コナン「だから…、だからゲーム終了後35分間は爆弾操作を禁じるって…!あれは国立の爆弾を見つけさせないためだったのか…!」
中岡「そう、国立の爆弾はこの鞄の起爆装置と連動する仕掛けになっている。
爆発は俺が国立でゴールを決めたゲーム終了4分前、人生の全てを掛けた聖地だからこそ俺の人生の終わりと共に消滅させると決めたんだ!」
そんな言葉の直後、電光掲示板の時間は3分を切り…また大きな爆発が起こる
砂埃が舞うのに紛れて、急いで怜花に電話をかけるけれど繋がらない。
コナン「くそっっ、なんで切れるんだよ…!」
大事な想い人に掛けるも全く繋がらず、苛立ちで歯を噛み締める
中岡「早く逃げな小僧、…お前に恨みはねぇ。爆弾を止めることができるのは11人目のストライカーだけ。
だが奴は勝負に敗れ、ここにはいない。…あと2分で復讐も終わる。これで知史の無念も少しは晴れるだろう」
コナン「ふざけんな…!」
頭から流れる血を、リストバンドで拭った俺は立ち上がり、彼を睨みつける