第62章 11人目のストライカー32
コナンside
中岡「あれを見て、俺はもう一度やり直そうと思ったんだ。…ところが…」
そこで言葉に詰まる。その先に続くのは知史くんが亡くなった後の話。
コナン「…それで、小五郎のおじさんとサポーターの人達に復讐しようと思ったんだね。爆弾はどうやって手に入れたの?」
中岡「南米で知り合った奴の中にその手のプロがいたんだ」
コナン「その爆弾を9つのスタジアムに仕掛けたんだね、…そして、10番目のスタジアムは国立じゃなく…この“東都スタジアム”だった。国立に仕掛けたのはダミーのセンサーだったんでしょ?」
国立を外したのは、中岡さんにとっての聖地
代わりに、彼がJリーガーとしてピッチに立ちたいと願っていたこの東都スタジアムに爆弾を仕掛け、5時50分に爆破するようにセットした。
コナン「…小五郎のおじさんが暗号を解いてここに来たら、一緒に死ぬつもりでね」
中岡「…」
コナン「この5時50分で、雪の国立で拝戸高校が日本一になった時刻だよね?…だから5時50分に、って書かないで、試合が終了した時刻にって書いたんだ」
中岡「ああ、そうだ。俺にとってのサッカーの試合はあれが最後だったから、俺の最後はここからってな」
コナン「中岡さん、90分間ピッチに立ち続けられない人間にサッカーをやる資格はないって言ってたそうだけど…それって間違ってるよ」
中岡「なに…?」ギロ
コナン「体が弱くて少ししか出られなかった知史くんに、サッカーをやる資格は無かったの…!?」
中岡「…っ」
コナン「15分しかピッチに立てないなら、それを生かす方法を見つければいいじゃない…!!」
中岡「お前のようなガキに何がわかる」
コナン「確かにね!でも本物のJリーガーなら言うはずさ!あなたは本当のサッカーを知らないって!」
遠藤選手が言っていた言葉を思い出す
コナン「それに中岡さん、貴方が知らないことはまだあるよ。それは……」
中岡さんに、ある真実を伝える
中岡「何っ!?……嘘だ…っ。毛利小五郎とサポーター達が人を助けようとしてたなんて、そんなの嘘だ!」
コナン「嘘じゃない!」
中岡「そんな作り話に騙されっかよ!」
彼が出したのは爆弾のスイッチ、余裕のなさそうな笑みを浮かべている。