第6章 ゼロの執行人6
貴方side
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翌日、私とコナン朝から妃法律事務所を訪ねていた
貴「蘭、久しぶり」
蘭「…っ怜花!!」
涙目で抱きついてくる親友、目は赤かった
貴「英理さん、久しぶりです。いきなり来てすみません」
妃「良いのよ。来てくれてありがとね」
貴「いえ、蘭が心配で…」
優しく迎えいれてくれる英理さん
新しい、橘弁護士に目を向ける
貴「私は星川怜花です。小五郎さん達とは、昔から仲良くしてもらってます。宜しくお願いします」
橘「ええ。よろしく」
笑みを向ける彼女は、何故か違和感を感じた
そしてもう一人、白鳥刑事が居た
貴「白鳥刑事、どうしてここに?」
白鳥「ああ、実は、日下部検事に、追加の捜査を求められたんだ」
コナン「じゃあその捜査で、お父さんが不起訴になるってことも…」
コナンに手を引かれ、蘭と隣同士にソファに座る。
白鳥「いえ、追加捜査は日下部検事の一存で、公安警察は起訴を決めたようです」
妃「ちょっと、なんで警察が起訴に口出すの?警察は検察に監督される立場のはず。何より起訴は、検察官の独占的権限で……あっ」
そこまで言って、英理さんは思い出す。零さんが居る公安部だけは、事情が異なる
橘「ええ、仰るとおりです。ただ、それは検察の民事部や刑事部、それに特捜部の場合です。公安部については、少し事情が異なるのは先生もご承知のはず」
橘弁護士はそこまで言って、きょとんとする蘭とコナンに気づき、補足の説明を始めた。
橘「警察は捜査した結果を検察に送るけど、検察はそれを受けて改めて事件を調べるのね。容疑者を起訴するかどうかは、この検察の調べを踏まえて検察官が判断するのが普通です」
橘弁護士は話しながら窓際によって、外を眺める。
橘「でも、検察の公安部だけは違う。はっきり言って、検察の公安は警察の公安に歯が立たないんです。捜査員の人数やノウハウに雲泥の差がありますからね。だから起訴にも、公安的配慮が働くときがある」
【公安的配慮】キャリアが多く優秀な人材が集まる警察庁は、それだけで権限が高く、圧力もある。
それ故、警視庁や検察庁の人達に裏では恨まれたり、毛嫌いされてることもよくある…と以前ヒロさん達に聞いた事がある