第58章 11人目のストライカー28
貴方side
真田「…!…れい、かちゃん…」
振り向いた真田さんに見つかる。監督らしき人はもう居なかった
真田「…今の話、聞いてたん…?」
貴「…偶然ですけど」
真田「……っいやぁ、冗談とかじゃちゃう…?そんなっ、会場に、あるわけ…そう思わへん?」
貴「…もし、予告したなら本当だと思います。前も、爆弾事件があったんです」
真田「!?」
貴「以前の東都スタジアムで、電光掲示板が落下したの知ってますか?あれは、誰かの仕業で落された事なんです。爆弾は防げて避難出来ましたが…」
真田「…あれって、事故じゃなかったん…」
貴「…あの!どういう条件だったんですか?真田さんだけに頼んだって事は、何か指示されたんでしょう?」
真田「………実は…」
聞く限り、ゴールの裏についてる爆弾を真田さんがフリーキックで蹴ったボールを当てて止めなければいけないらしい
それだと、観客からブーイングが来るかも知れない。
けど、それ以上に失敗したら会場に居る全員が危険になる。
会場全員の命を賭けてると言っても過言ではないプレッシャーに、一番恐怖にあるんだ
ガシッッ
真田「!?……怜花ちゃん…?」
貴「大丈夫ですよ」
震えてる手を握ると、泣きそうな表情で顔を上げる
貴「サッカー教室で言ってたじゃないですか。サブじゃなくて、スーパーサブって。
こんな困難も乗り越えられなきゃ、比護さんやヒデさんには並べませんよ」
真田「!」
貴「…例え周りがブーイングを浴びせても、私は応援してます。私に、格好いい姿見せて下さい」
真田「……っ…怜花ちゃん、格好良すぎやねん。迷ってる俺が馬鹿みたいやんか//」
そう言いながら抱きつく真田さんにビックリ、顔は見えないが熱かった
貴「え、…あの…」
真田「…ありがとな。迷ってる自分なんて格好悪いわ」
貴「そうですよ、真田さんはいつも犬みたいに明るいんですから!!」←
真田(…褒めてんのか…それって…)
落ち込む表情に?になりながらも、笑顔をむけながら会場に歩いていく
真田「頑張るから、応援宜しくな!」
貴「はい、頑張ってください」
先程とは違いスッキリした表情で走る真田さんを見送りながら、私も観客席に戻る