第44章 11人目のストライカー14
貴方side
遠藤「他人からはマイナスに見えるような個性でも、自分なりに生かせる方法を見つけ出せたら、プラスに変えられることだってたくさんあるんだ。例えば、背が低くてもサッカーはできるし、それを武器にすることもできるだろ?そこにサッカーの面白さがあるし、自分は自分だって思えるんだ」
博士「なるほど…プロの言葉は含蓄があるのぉ」
遠藤「他に何か聞きたいことあるかな?」
コナンが「ハーイッ!フリーキックのコツを教えて」
小五郎さんが「コラーッ!」とコナンの頭をつかむ
小五郎「ガキのくせに生意気だぞ!」
コナン「うわあああ」
遠藤「そんな、かまいませんよ」
小五郎「えっ?」
遠藤「まだ少し時間あるから、ちょっとやって見せようか?」
コナン「うん!」
コナンは、満面の笑みでうなずく
元太「マジかよ!」
歩美「やったー!」
元太君達も、両手を上げて大喜びする。
遠藤選手によるフリーキックのデモンストレーションが急きょ行われることになり、観客が大勢集まってくる。
ペナルティエリアの外側、ゴールから二十五メートルほどのやや左の位置にボールが置かれ、遠藤選手がその前に立った。
キーパーは楢崎選手で、向かって左から比護さん、真田さん、今野選手、中村選手の順に並んで左側に壁を作っている
私達は、遠藤選手の背後でワクワクしながら見つめていた
遠藤は力強い眼差しをゴールに向けると、ボールの左横やや斜め後ろから四、五歩助走して、ボールを蹴った
ボールはジャンプした今野と中村の頭上を越えて横回転で鋭く左へ曲がり落ち、飛びついた楢崎の指先を抜けてネットの左隅に突き刺さった
☆☆
サッカー教室から二週間後
東都スタジアムでは東京スピリッツvsガンバ大阪の試合が行われ、八万人も収容できる観客席はサポーター達で埋め尽くされてる。
前半四分、ガンバ大阪の遠藤選手が蹴ったボールがゴールに突き刺さり、ビジターシートのサポーターーたちから地鳴りのような大歓声がわき起こった
実況『ゴール!遠藤、見事にフリーキックを決めました!』
テレビ実況放送室から日売テレビアナウンサーが叫ぶと同時に電光掲示板に《GOAL》の文字が大きく映し出された