第43章 11人目のストライカー13
貴方side
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数分後…
比護「ごめんな、貴大がいきなり」
貴「いえ…大丈夫ですよ」
真田さんを引き離した比護さんは、代わりに謝るが特に困ったわけではない……ただ、ここから離れたい
真田「ヒデさん」
赤木「?」
怒られたのか落ち着いた真田さんは、赤木選手に向き合う
真田「オレ、あんたをライバルにって決めたから。今度の試合で決着をつけましょうや」
赤木「…ふっ、その前にまずゲームに出ることだな」
真田「もちろんですよ」
お互い向かい合う2人を、カメラのシャッターを切る音がする
薫「いいわねぇ!宣戦布告!」
山森「おい、何だそのメモ?」
薫「い、いえ…」
薫さんが山森さんから逃れようと体の向きを変えたため、背中に隠した手帳がコナンの目の前に現れる
左のページには《O・Y》と書かれた下にスケジュールらしき細かい文字が並び、一番下には《十二月三日 汐留アリーナ》と大きな文字で書かれてる
そして、右のページには《S VS A》と書きかけたその上に《杉並運動公園 AM六時~ K・K》と書かれていて、《K・K》には赤丸がつけられている
コナン(K・K…?何だろう…)
赤木が「あっ、ヤベッ。悪いな、真田。続きは最終戦。東都スタジアムでやろう!」
何か用事を思い出した赤木選手は、真田さんに手を振り、颯爽と駆け出す
歩美「ヒデ、走る姿もカッコイイね~」
元太「オレ、走んの苦手だからなぁ」
光彦も「ボクもです。足が遅いとサッカー選手になれないんでしょうか…」
今野「そんなことないよ。足が遅い選手は、Jリーガーの中にもたくさんいるよ」
光彦「そうなんですか!?」
楢崎「足が遅ければ、他の選手より先に走り出せばいいんだ」
中村「ただし。そのためにはゲームの流れを読む力や、判断力を磨かなきゃならない」
今野「そう。要は足のスピードより、考えるスピードを速くすること」
中村「足が遅いためにかえってそういう力を身につけて、活躍してる人は大勢いるよ」
最後に中村選手が言うと、Jリーガーのアドバイスを聞いた光彦君たちの表情がパァッと明るくなる。
子どもたちの笑顔を見た遠藤さんが優しく微笑む