第36章 11人目のストライカー6
貴方side
山森「いやあ、有名な探偵の毛利さんに会えるなんて感激だなあ。香田ちゃん、一枚撮って!」
香田「はーい、いいですよ」
サッカー教室の様子を一眼レフのデジカメで撮っていたブルゾン姿の香田薫さんが振り返り、小五郎の肩を抱いてVサインをする山森さんにカメラを向けてシャッターを押す
山森「サンキュー。彼女は日売新聞カメラマンの香田薫君。前は社会部にいたんですが、入社以来一枚も特ダネ写真が撮れず、今年、スポーツ・芸能部に転属になったんです」
香田「山森さん、何もここでそんな話……」
山森「でも、こっちでいくつかスクープをものにしたら、社会部に戻してやるって言われてるんだよね」
香田「ええ……」
山森「まあ、健闘を祈るよ」
香田「…私のことより、山森さんこそサッカー中継の視聴率を上げないと、部長から降ろされるって聞きましたけど」
山森「そうなんだ。何かいいアイディアありませんかね、毛利さん」
小五郎「ん~そうですなあ…」
コナン(よりによってオッチャンに聞くのかよ…)苦笑
小五郎「そうだ、ありますぞ!」
山森「本当ですか!?」
小五郎「ええ。私が沖野ヨーコちゃんとゲストで出るんです。視聴率アップ間違いないです!」
小五郎さんの口から《沖野ヨーコ》の名前が出たとたん、薫さんが一瞬眉をしかめる
その表情に気づいたのはら私とコナンだけ
山森「ヨーコちゃんか……今からスケジュールを押さえるのは無理だろうなぁ。彼女は年末の汐留アリーナのコンサートまでスケジュールが埋まってますからねぇ……」
コナン(どうしたんだ…沖野ヨーコの話で顔色が変わったような…)
園子「ねえ。あの子たち、随分うまくなったんじゃない?」
園子がサッカーコートを指差し、私達は振り返る
赤木とパス練習を続けていた歩美ちゃん達はみんなインサイドキックでそれなりにうまくなっている。
阿笠「さすが、プロが教えると上達が早いの~」
赤木「よーし!みんな良くなったね。少し休憩しよう」
子供「は~いっ!」
赤木「じゃあ、次は君ね」
コナン「うん」
こちらに来た赤木選手と一緒に移動したコナンを、私達で応援する