第35章 11人目のストライカー5
貴方side
次に赤木選手は、歩美ちゃんにパスを出した
歩美ちゃんがグッと身構え、足を後ろに振り上げずにつま先で蹴り返す……がボールはかなり手前に落ちる
歩美「あれっ?」
赤木「オーライ!」
赤木選手はボールに走り寄り、光彦君にパスした
光彦「任せてください!」
光彦君が足を後ろに振り上げ、つま先で蹴ろうとした
しかし、空振りしてずっこける
コナン「しょーがねえな」
コナンはボールに走り寄り、代わりにボールを赤木選手にパスした
赤木「オッケー。みんな集まって」
コナンたちが一列に並ぶ
赤木「まず、パスは基本的にインサイドキック。つま先でなく、足の内側に当てて蹴ろうね」
そう言うと手を足に見立ててボールの横に当て、「で…」と哀の方を見る
赤木「君はセンスはいいんだけど、もう少し元気にやろう!」
哀「私、低血圧だから午前中はダメなの」
コナン「オイオイ…」
貴「はは…」
小一らしくない哀のセリフに、苦笑いするしかない
赤木「君はあんなに足を後ろに振り上げないで、君は逆に少し振り上げてごらん。君はボールをもっとよく見て」
赤木選手は元太君、歩美ちゃん、光彦君にアドバイスをすると、最後にコナンを見る
赤木「君は……特に言うことはないな」
コナン「テヘヘ」
赤木「じゃあ、もう一回やろうか」
子供達「はーい!」
再び円く広がろうとすると、コナンだけ呼び止める赤木選手。
赤木「あ、君はいいから。ちょっと休んでて」
コナン「え?あ、はい…」
コナンがベンチの横で見学している私の隣に来た
貴「どうしたの」
コナン「少し休んでろって」
博士「君だけレベルが違い過ぎるからじゃろう」
博士の言葉に少し苦笑いしていると、洒落たジャケットを着た男が近づいてくる
?「失礼ですが、毛利小五郎さんですね?」
小五郎「ん?」
山森「私、日売テレビスポーツ・情報局部長の山森といいます」
小五郎「あっ、ああ…」
山森さんに手を差し出された小五郎さんが立ち上がって握手をすると、山森さんは握手をしたままグッと近づいてきた