第27章 ゼロの執行人27
貴方side
__
高速道路の車通りは少なく、零さんは猛スピードで車を走らせる
風邪が強く吹いてるのお構いなしに、次々と前を走る車を追い抜いていく
コナン「この先は渋滞だよ」
膝の上でスマホを操作していたコナンが、零さんに伝える
降谷「避難誘導が上手くいってないのか…!?」
貴「きっと、情報が錯綜してるんだ…」
エッジ・オブ・オーシャンに向かう橋は一本しかないが、どうやって渋滞を突破するつもりなんだろ…
と思っていると、零さんはさらにアクセルを踏み込みスピードを上げる
メーターを見ると180キロ。
貴「ちょっ、零さん…」汗
降谷「しっかり掴まってろ、コナン君を抱えて!」
目の前に渋滞が見え、コナンの体を強く抱きこむ
零さんはハンドルを勢いよく右に切り、左のタイヤが浮いて、車体が右に傾く
片輪走行で、RX-7は渋滞で立ち往生している車の間をすり抜けていく。
重力で右に持っていかれそうになる体を、コナンを抱きながら必死に抑える
車は、渋滞にハマッて停まっていたキャリアカーの荷台に猛スピードで上がり飛び上がる
宙に浮いた車は、高速道路と並行に走っていたモノレールの屋根に飛び移る。
その屋根からも飛び上がり、線路に着地した衝撃に体が悲鳴を上げた。
ガンッ
貴「っ…」
降谷「くっ…」
渋滞を抜け出したが、今走っているのは線路の上。
明らかな立派な犯罪だが、今はどうしようもない
風見『降谷さん!カプセルのパラシュートが外れて、加速してます!』
降谷「それで!?」
風見『NAZUから、予測落下地点が出ました!このままじゃ、あと5分でカジノタワーに落下します!!』
貴「5分…!?」
降谷「チッ…!」
コナン「…クソッ!どうする!?どうする!?」
私達は焦った様子で、対策を考える
貴「……!!零さん、前…っ!!」
降谷「!!」
前方から近づいてくるモノレールに気づき、声を上げる。
このままでは正面衝突で、確実に死んでしまう