第21章 ゼロの執行人21
貴方side
貴「それで警視庁に探査機を落とす計画を…」
日下部「ああ。はくちょうの帰る日が羽場の命日だと知ったときから…」
コナン「IOTテロは?」
日下部「計画にはなかったが、検事として無実の人間を起訴させるわけにはいかなかったんだ」
降谷「毛利小五郎が犯人じゃないと証明するために、IOTテロを?」
日下部「ああ。だが咄嗟のことで、被害の規模は予想を超えていた」
コナン「もうこれ以上、罪を重ねちゃダメだ!不正アクセスして変更したコードを教えて!」
コナンの言葉に、日下部さんは立ち上がる。
日下部「公安警察は正義を守るプロだ!羽場のような正義が失われちゃいけない!」
開き直り始めた日下部ざをの肩を、後ろから零さんが掴む。
降谷「コードを言うんだ!」
日下部「私を逮捕すればいい!取調べでは一切を黙秘する!」
コナン「日下部検事!」
そんな日下部さんに、コナンはスマホの画面を向ける
その画面に映るのは、警視庁の屋上にいる、羽場二三一さんの姿
羽場『日下部さん!』
驚きのあまり絶句し、目を見開く日下部さん
日下部「バ…バカな!?なんで羽場が!?」
降谷「警視庁ヘリポートのライブ映像だよ」
日下部「どういうことだ…!?」
降谷「拘置所で彼を取り調べた公安警察は、彼を自 殺したことにして、これまでの人生を放棄させたんだ。公安検事が協力者を使っていたという事実を隠蔽するために。そして、公安検事が二度と協力者を作らぬよう、そのことは貴方にも伏せられた」
協力者たちを管理し、その身の安全を保護するのが零さん達の仕事
零さんはそれをまっとうしただけだ
降谷「自らした違法作業は、自らカタをつける。貴方にはその力がない!公安警察がそう判断したんだ」
コナン「羽場さんは自分こそが裁判官になるべきだと思い込むほど、強い正義感を持っていたんだよね?だからこそ、司法修習生を罷免され、行く当てのない彼を協力者にした」
羽場『そうです。日下部さんが、私を人生のどん底から救い上げてくれた。たった2年間の関係でしたが、日下部さんは“お前のおかげで公安検事として闘える”と言ってくれた。だから私は今も、こうして闘えるんです』
羽場さんの言葉に、日下部さんは涙を流しながらその場に膝をついた。