第20章 ゼロの執行人20
貴方side
日下部「…民間人を殺すつもりはなかった。だから公安警察しかいないときに爆破し、死亡者が出にくいIOTテロを選び、カプセルを落とす地点もあそこを選んだ!」
貴「…警視庁を停電させたのは、中にいる民間人を避難させるためですか?」
日下部「ああ」
降谷「そうか。ここへ来るまでの道でIOTテロを起こしたのも、入ってくる人を止めるため」
抵抗はもうしないと判断したのか、零さんは日下部さんの手を離す
コナン「それでも、誰かが犠牲になる可能性は十分あったはずだ!」
日下部「正義のためには、多少の犠牲はやむを得ない!」
コナン「そんなの正義じゃない!」
日下部「!」
自分の中の正義を確立して、はっきり言える幼馴染を心底カッコいいと思った
日下部「…私の…、私の協力者だって…、犠牲になった」
コナン「羽場さんは…やっぱり、あんたの協力者だったんだね」
日下部「な…なぜそれを…?」
コナン「パスコードの暗証番号だよ。珍しくて気になったんだけど、入力する音を消してなかったのは、忘れないため?羽場二三一を」
日下部「違う。こいつらへの復讐心を、肝に銘じるためだ!」
降谷「公安警察の協力者は全てゼロに報告され、番号で管理される。だが、公安刑事同士は互いの協力者を知らない。まして協力者を抱えている公安検事がいたなんて、去年まで知らなかった」
日下部「あ、あれは…私が羽場に頼んだんだ…。NAZU不正アクセス事件の捜査のために…。そのアクセスデータが、被疑者の出入りしていたゲーム会社にあると知った羽場は、それを盗み出そうとして…。…公安の協力者は、違法で危険な調査を余儀なくされる。だからこそ、公安と協力者の関係は肉親よりも強くなる。決して金だけで繋がった関係じゃない。使命感で繋がった、まさに一心同体だ。私は彼の窃盗事件を担当する検事に全てを話した」
そのときの検事が、彼の現上司である、岩井統括さん。
彼女は、日下部の訴えを取り下げ、公安警察からの命令で羽場を起訴すると宣言
後日、公安警察に直談判しようと警視庁に向かっていたとき、羽場が公安警察からの取調べの後自 殺したと岩井統括から知らせを受けたらしい。
その悲しみと怒りの矛先は、公安警察へ向けられた