第12章 ゼロの執行人12
貴方side
風見「う…っ」
風見さんが痛みに呻くが、お構いなしに零さんは風見さんの右袖の裏から、コナンがつけた盗聴器を外す
それを見た風見さんの表情は驚愕に染まる
降谷「これでよく公安が務まるな?」
冷徹な声が、その場の空気を凍らせるみたい……怖い
風見「す…すみません…」
零さんは盗聴器を指で押しつぶして破壊すると、風見さんの腕を離して去っていってしまう。
コナン「待って…!」
コナンはスケボーを脇に抱え込むと、零さんの後を追った。
けど零さんの姿はもうなくなっていたらしく、橋の上でコナンが佇む
風見「盗聴器は、君が仕掛けたのか?……いや、まさか…こんな子供が…」
ありえない、と風見さんは苦笑して頭を抱える
コナン「安室さんは、全国の公安警察を操る警察庁の、ゼロ」
コナンの言葉に、風見さんは目つきを変える
コナン「そんな安室さんに接触できるのは、公安警察の中でも限られた刑事だけ。それが風見さんだったんだね」
風見「……まさか星川さん、君がこの子に?君、降谷さんが公安だと知ってたし」
コナン「!」
貴「…例え知ってても、コナンは自力で調べましたよ」
風見「……まさか、こんな子供に……君は、一体…何者だ」
コナン「江戸川コナン。…探偵さ」
私とコナンは呆然とする風見さんをよそに、この場を離れようと歩き出す
風見「君達の言う、安室という男は……人殺しだ」
コナン「…!」
貴「え…?」
……どういう意味…
組織のバーボンとしてなら、そりゃ誰かを殺したことがあるだろう、任務としてならそれもやむおえないし
風見「去年、拘置所で取り調べ相手を自 殺へ追い込んだ」
けど、風見さんから語られたのはバーボンとしてじゃない、降谷零としての話
風見「…悪い。君たちに言うことじゃなかった。だが、なぜか君達にはこんな話ができてしまう。変わった子達だ」
それだけ言って風見さんは、この場から去っていってしまう
風見さんは、嘘をついている感じじゃない
けど零さんが、そんなことするわけない。
きっと、裏がある気がする
……でも、彼の全てを知ってる訳ではないんだ…