第11章 ゼロの執行人11
貴方side
コナン「ねぇ蘭姉ちゃん。僕これから、怜花姉さんと行くところがあるから、先に帰ってて?」
貴「え」
蘭「そうなの?雨が降りそうだから、早く帰ってくるのよ?怜花、宜しくね」
コナン「はーい。行こう!」
貴「え…」
コナンは、私の手を引いて歩き出す
貴「ちょっと、どこに行くの?」
コナン「たぶんもうすぐ、捜査会議が始まる。もっと情報を集めねぇと」
……まさか、捜査会議を盗聴する気じゃ
★★
すでに雲行きは怪しくなっており、今にも雨が降り出しそうな曇天だ。
私とコナンは、警視庁の近くの公園にいる
貴「……コナン。こんな事して大丈夫?」
コナン「大丈夫だって、心配すんな」
お前の大丈夫は、不安なんだよ。昔から…
ピッと作動させると、風見さんの声が聞こえる
風見『我々公安部が調査した結果、爆発現場への不正アクセスにNorが使われていたことが分かりました』
…Nor?聞きなれない単語に、音声に集中する
風見『IPアドレスを暗号化し、複数のパソコンを経由することで辿れなくする、ブラウザソフトです』
?『Norの匿名性は解除できないのか?』
知らない、渋い男性の声が聞こえる
風見『原則的にできません。ただ、Norブラウザに構成ミスやバクがあれば、ユーザーを特定できる可能性があるそうです。逆に言えば…、犯人のNorブラウザにこちらから脆弱性を作れば、追える可能性が出ます。
現在我々公安部でサーバーを辿り、ユーザーが特定できる可能性を探っています。……すみません、召集がかかりました。一時退席します』
……召集?
降谷「捜査会議の盗聴かな?」
貴/コ「!?」
私達は、顔色を変えて振り返る
全く気配が気付かなかった……
コナン「なっ…なんでここが…!」焦
降谷「毛利小五郎の事となると、君達は一生懸命だねら、それとも…蘭姉ちゃんの為かな?」
貴「……当たり前です」
降谷「…」
真剣な表情で返す
降谷「構わない。出て来い」
零さんに指示され、出てきたのは風見さん…?
風見「なぜ私を呼んだんです?…降谷さん?」
零さんはツカツカと風見さんのもとへ歩き、彼の右腕を掴むと捻りあげた