第9章 どうしようもないんだ(D.T)
「…おいで?」
と手を差し出すと、テーブルの向こうの椅子から俺の座るソファーへとやってきて俺の手に触れる。小さくて柔らかい手。
上目遣いで少し下唇を噛むその表情からは急に色香を感じる。
「フェロモン出てるよ?」
「それは、常田さんです…色気だだ漏れですよ…」
彼女の腰を抱き寄せ、至近距離で見つめ合う。
「こんなこと知られたら…」
「バレなきゃいんじゃね?」
「ふふふ、そればっかり」
耳まで赤い彼女の、ポニーテールのゴムを解いた。長い髪が降りた首筋を掴み、小さな唇に噛みついた。
彼女を膝の上に乗せて、下半身を押し付け合いながら長いキスを続ける。
キスだけですっかり蕩けてしまった彼女の顔を薄目で見つめる。彼女も時折潤んだ目を少し開くが、俺と目が合うと恥ずかしそうに閉じてしまう。
彼女のパーカーのジッパーを下げ、中に着ている薄いインナーの上から身体を撫で回す。首筋に顔を埋め、匂いを思い切り吸い込むとなんとも言えない甘い香り。
「すげ、いー匂い」
「交代する前にシャワー浴びて来たんです…んっ、そんなに嗅がないでくださいっ…はずかし…あ、んっ」
言い終わる前に首筋をべろりと舐める。肌も甘い。よく考えたら、今まで女を抱く時に俺から積極的に愛撫てやつをしてこなかったように思う。
いつもたいがい女性側が俺に愛撫をしてくれて、俺に跨り腰を振ってくれる。まあ体位を変えることはあったけども。
インナーの中に手をしのばせ素肌に触れると、びくりと跳ねる身体。手を背中から前に移動させ二つの膨らみに触れる。
お世辞にも大きいとは言えないが触り心地のよいそれの感触をやわやわと楽しむ。布の上からでもわかるほど主張された中心をコリ、と摘むとさらに大きく反応する。