第7章 娘の担任(K.A)
こんな幸せがあっていいんだろうか。はらはらと涙が落ちてくる。
彼は私の涙を指ですくいながら聞く。
「返事は?」
「…私で、いいの?」
「あなたがいい」
そしてゆっくりと唇が重なった。彼は感触を楽しむように角度を変えて何回も私の唇を啄む。
気持ちよくて、離れた一瞬に「はぁ、」と吐息を漏らした。
その一瞬を見逃さなかった彼は、舌を侵入させてきた。
「はぅ、ん、」と漏れた声も飲み込まれてしまいそうな激しいキスに腰が砕けてしまいそうになる。
こんな感覚は味わった事がなくて、少し怖くて彼のスーツにしがみつく。
ひとしきり私の舌を味わった後、名残惜しそうに離れた彼はとろけてしまった私を見て、
「…はぁ、最っ高、早く抱きたい…」
と耳元で囁いた後、私の耳たぶをちゅっと吸った。
たったそれだけの事に私の身体はびくりと反応してしまう。
「あ、ん、だめです、あの子が…あっ!や、ん」
拒む言葉を無視して首筋に吸い付かれる。ぞくぞくとした快感が背中を駆け上がる。
「んんっ、あっ。ほんとに、だめ…ああっ」
これ以上は本当に流されてしまいそうで、彼の身体を必死に押した。
最後にちゅっ、と唇にキスをされ
「声だけで…イけそう、俺」
そんな顔でそんな事を言われたら、私までどうにかなってしまう。