第7章 娘の担任(K.A)
もっと…と唇が重なりそうになった時、
「どうなったー?!」
の声と同時に店のドアが開いた。
それまでの熱がひゅっと冷めて2人で同時に振り返ると、そこにはさくら。
抱き合った状態の私たちを見てニヤリと笑った。
「うまくいったんだね。ほら、もうすぐみんな来るよ。絶対うちのお店に流れてくるんだから、このタイミング逃したらなかなかプロポーズなんかできなかったと思うよ?先生。」
「みんなって、ママたちも?!大変、早く着替えないと」
と離れかけた私の腰を、彼はぐっと抱き寄せてさくらを見つめた。
「ありがとう。お母さんと君を絶対離さないよ。これからよろしく。」
「こちらこそ。お母さんをよろしくね。さっ!みんなになんて言おうかなー。今から記者会見する?」
そんな話をしていたら、どやどやとクラスメート親子がやってきた。
「買い物してきたからさー!お皿だけ貸してくれるー?」
「あれ先生。先に来てたの?」
みんなには見えない角度で私の手をきゅっと握りながら
「お店使わせてもらえるか聞きに来たんだよ」
とごまかす彼。
さくらも私にくっついて楽しそうに笑う。2人に挟まれて幸せを噛み締める。
私も、2人を守っていこう。3人で手を繋ぎながらこっそりと笑い合った。
※この彼も既婚者になったので裏は書くまい、と思っていたのですが別で新婚旅行編など、ニーズがあったら書こうかと思います。ご意見聞かせてください♪