第7章 娘の担任(K.A)
へたりこんで動けない私に、先生は近くにあったブランケットを肩からかけてくれた。
「怪我は?どこか打ったりは?」
「あの、大丈夫です、あ、ありがとうこざいます…」
まだ震えが治らない。
「あみさん、俺やっぱりあなたが好きです」
驚いて彼を見上げた。
「こんな時に言うべきじゃないですけど、怒りでどうにかなりそうなんです。ちょうど通りかからなかったら、少しドアが開いてなかったら、あなたは今ごろ」
私の肩に置かれた手に力が入った。
「ありがとう、ございます、でも、」
「わかってます。これ以上はどうにもならない。でも見守らせてください。またこんな事のないように」
そして背後から私をぎゅっと抱きしめた。
「お願いですから、幸せでいてください…」
ほんの数秒だけど心から安心した。がんばろうと思えた。
彼の手にそっと触れながら
「もう、大丈夫です。ありがとう和輝くん…」