第7章 娘の担任(K.A)
「あみ先生、一度だけ…抱きしめてもいいですか」
別れ際そう言った彼は、ぎこちなく私を抱きしめた。そして
「幸せでいてください」と囁いた。
その後の私は、当時の彼氏と大学卒業後も付き合いが続き、25歳の時に妊娠がわかり結婚した。
少し優柔不断だけど優しい人だった。家庭に入ってほしいと言う夫の願いを聞き仕事を辞め専業主婦になった。
娘が生まれてから幸せだった時間は短く、夫の浮気が発覚した。
優柔不断の夫らしい、押し切られての不倫。浮気なら再構築も考えられたけど本気らしい。
本気なら仕方ない。私よりも好きな人ができたなら。
最低限の慰謝料と養育費を約束して別れた。