第7章 娘の担任(K.A)
14年前、大学生の頃に家庭教師のアルバイトで高校3年生の男の子を受け持った。小学校の先生になりたいと語る彼は「気分転換」と称してよくベースを聴かせてくれた。
音楽に疎い私は彼の話が新鮮で、よく脱線してベースに聴き入ってしまっていた。
そんな中でも真面目な彼は第一志望に見事合格した。そして、私が好きだと打ち明けてくれた。
正直なところ、彼に惹かれていた。もう少し長く接していたらきっと恋に落ちていたと思う。
でも年下だし、当時付き合っていた彼氏もいてその気持ちには応えられなかった。