第7章 娘の担任(K.A)
ご隠居さんたちが帰り片付けが終わる。
「さくら?お手紙たくさんあるでしょ?」
「あっそうだった。担任の先生ねぇ、他の学校から来た先生だよ」
「ふーん。男の先生?女の先生?」
「男の先生!顎にひげ生えててねぇ、かっこいいよ!」
「あらっ。よかったねぇ」
新学期の書類地獄に取り掛からないと、と一枚ずつに目を通す。クラス便りの担任の部分に目が止まる。
見覚えのある、懐かしい名前。遠い記憶に心の奥がきゅっと切なくなった。同姓同名かもしれない。でもあの彼が夢を叶えているのなら、もしかしたら…。