第6章 バカンス(D.T)
「あー、悪い。サイズでかかったな」
それはダイヤのリング。
自然と涙が溢れてきた。
「う、そ。え、なんで」
「なんでって…んー、これ以上?あなたを野放しにしておくのは?いやいい意味で。つかそばに置いときたい?みたいな?」
彼の言葉のチョイスがあんまりで、おかしくて笑って泣きながら文句を言った。
「もっ、なにそれっ、へたくそなの?あんなにいい詩書くのにっ」
「まーそう言わんで。でさ、早めに帰って残りの休みで手続きやら住むとこやら決めよーや?」
「私まだ返事してない…」
「え?YES以外受け付けませんけど?」
嬉しいけど…彼に一言物申したい。
「好きとか、愛してるとか、聞いたことないんだけど…?」