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彼らとの夜 King Gnu R18

第3章 奇抜な彼(Y.S)


「すげえ、しっかりしてて、優しくて、」

彼の話を聞きながら花を選んでいく。

「かわいくて…めし、美味くて」

つい、ふふ、と笑いがこぼれてしまう。彼も大事な奥様を思い浮かべながら、最初の固い表情より幾分か和らいで見える。

「三味線うまくて、」

意外な言葉にえっ。と声を上げてしまった。

私の反応ににやりと笑い、

「三味線のプロなんすよね。奥さん」

これはイメージをひっくり返さないと。

椅子にかけてもらい、コーヒーを出した。私もフラワーアレンジのプロとして、先入観にとらわれてはいけない。

はた、と気がついた。

「プロの方なら、検索したらお顔を拝見できますか?」

「…そうっすね。できますけど…」

「あっ…ご迷惑でしたら」

「いや、じゃあ、写メ、見てください」

と、スマホを取り出し画像を見せてくれた。

結婚式だろうか、黒髪のかわいらしい女性の隣には、目の前の少年のような彼が正装して微笑んでいる。

「わかりました。」イメージができあがった。
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