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彼らとの夜 King Gnu R18

第3章 奇抜な彼(Y.S)


ある日の閉店間際、裏で片付けをしていたら店の扉が開いた音がした。

「いらっしゃいませ…」

店に出ると、金髪にアロハシャツの、奇抜なお客様がいらした。

小柄だけど…チンピラさん?かな…?あぁ、揉め事だったらどうしよう。初めてのお客様に少々身構えてしまった。

彼は所在なさげに花を見回しながら、

「花…ほしいんすけど…」

と小さな声で言った。よかった。お客様みたいだ。

「はい、贈り物ですか?」

と聞くと、彼は初めて私の目を見てくれた。年がわからない、少年のような感じもする…不思議な男性だと思った。

「はい、あの、奥さんに、あ、俺の。」

少し驚いてしまった。まさかの既婚者だった。

「そうですか、奥様に。」

頭の中は彼の奥様を勝手に想像しはじめ、花束のイメージを膨らませる。

若い、派手な女性をイメージしてしまう。だめだめ、ちゃんと聞いてみないと。

「失礼ですが、どんな奥様がお聞かせいただけますか?」

彼は少し下を向いて、「えっと」と話し出した。
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