第2章 子犬な彼(S.I)
「こう見えても俺すげえ我慢してるんすよ」
「我慢、しないで。」
そう言ってしまったのが恥ずかしくて、顔が熱くなるのを隠したくて俯いた。
ぎし、と彼がベッドに座り直した。大きな両手で顔を包まれて上を向かされた。彼と視線が合う。
その顔はとても冷静とは言えない、切なそうでそれでいて目の奥には明らかな情欲が見えた。
子犬のようないつもの彼と違う、初めて見る表情に私の中心がずくんと疼いた。
「……ぁっ」
つい漏れた吐息が彼に火をつけてしまったようだった。がばりと抱きすくめられ「もうだめです」と耳元で囁かれたと思ったら激しく口付けられた。
彼の厚い舌に口内を犯される。だらしなく身体の力が抜けてしまいそのままベッドに押し倒された。彼の大きな手は器用に私のシャツのボタンをはずしすでに緩められていた下着の中に入りこむ。
「んっう」
胸を揉み上げられ、合わせた唇の隙間から声が洩れる。するすると服を脱がされすぐにショーツ1枚にされてしまった。