第2章 先生
『(野薔薇ちん、助けて……!!)』
野薔薇"ちん"呼びはあまり彼女に嬉しく喜ばれていないけど、ついクセで呼んでしまう。
同級生で、仲のいい釘崎野薔薇ちゃんと任務が終わったこの後少し出かける予定だった。
待ち合わせ場所になかなか来ない私を心配して私の部屋に来て欲しい。
でも、こんなところを野薔薇ちんには見られたくない。
目と口をキュッと閉じて、身体にも力が入っていると「固くなりすぎ」と五条先生に笑われ、そう言われた。
だって、しょうがない。こんなことされるの好きじゃないし、緊張するから。
「口、開けて」
素直に閉じていた唇を開けた。
すると、にゅる…と生あたたかい、五条先生の舌が入ってきた。
『っあ、…ふ、っ…』
五条先生とするの好きじゃないけど、気持ちいいからだんだんしたいって思ってしまう。
『んんっ、……っん"〜〜〜!!!』
舌を絡める深いキス。ちゅ、ぢゅる、という部屋に響く音が耳を犯す。
唇が離れると、どっちのか分からない唾液が糸のように引いていた。
ぼう……、とする頭の中で次は何されるんだろう、と少し期待した。