第3章 白昼夢
窓から外を見ると、たどり着いた場所は山奥だった。
ヤバそうでイヤな雰囲気。
私は言葉を失った。
そして数分の沈黙の後に私は口にした。
『15分…いや30分しても戻ってこなかったら、様子見に来てください…』
伊地知さんにそう言い残して、車のドアを閉じた。
カラスの鳴き声、羽音が聞こえる。
ザァッ…と木が揺れる音もする。
一言で表すなら【不気味】っていう言葉がぴったり。
『1人か……』
こんな怖いところに1人なのは、少し心細いかも。
呪霊は3級から4級って言っていたから、すぐ祓って帰ろう。
『はあ……』
大きなため息が出る。
でも本当に幽霊出たらどうしよう……
私は車のドアを開けた。
「どうされましたか?」
『ゆ、幽霊…出ませんよね……?』
何聞いてるんだろう。
16歳にもなって幽霊が怖いとか、信じてるとか子供みたいで笑っちゃうよ。でも聞きたかった。