第3章 白昼夢
『私が行くよ……!!』
って言ったのはいいものの……
あまりやる気が出ない。
幽霊とか苦手なのになんで言っちゃったんだろう。
数時間前の自分を後悔する。
シーンと静かな車内。
『伊地知さんは…幽霊、信じますか……?』
怖さを紛らわすために、補助監督の伊地知さんに話しかけた。
「幽霊…ですか。見たことないので、なんとも言えないですね…」
伊地知さんの言葉にそっか、と心の中で納得した。
そうだよね、私も見たことないもん。やっぱり幽霊とか居ない。
学校より病院の方が怖いかも。
病院の方が出そうな気がする。
『はあ……』
一つため息をつく。
そういえば前いた学校は、病院の跡地って聞いていたな。
生徒も教師も"何か"を見たって言っていた。
その話を聞いて私は幽霊が本当にダメになった。トイレの花子さんは特に。
高専に来ていろいろ危険で大変な場面に出会うけど、これは桁違いで怖い。