第2章 ふわりととけた
「ドゥードゥルスート」
死を覚悟したその時、その掛け声と共に突風のような勢いも焼けるような熱さもすべて消し飛んだ
恐る恐る目を開けてみても暗闇と涙でよく前が見えない
「間一髪だったなユウ、大丈夫か?」
「うわーユウちゃん顔ひっどいよ〜?」
聞き慣れた声
「ドレ゛イ゛先輩!!ゲイ゛ド先輩〜!!」
安堵感で緊張の糸が切れて嗚咽に涙にすべてがぐちゃぐちゃだった
「デュースが!!先輩!デュースが死んじゃう!!」
抱えていたデュースが全く動かない
焦りと恐怖が私の心を支配する
しゃがみこんでデュースの状態を覗き込むと、かなりの出血と深くえぐられた傷にケイト先輩の表情が歪む
「けっこーやばめだね」
「ケイト、デュースを安全なところにに避難させてくれないか」
OK〜とケイト先輩は立ち上がると
「スプリットカード」
ユニーク魔法を使って4人に分身した