第2章 ふわりととけた
魔法!!出ろ!!魔法出てよ!!!!!
使えもしない魔法を出そうとしても出るわけがなく、その間にもデュースの血はどんどん溢れていく
「なんでよぉ…」
魔法の代わりに私の目からは大量の涙が流れていく
「かん…とくせ…」
「!!!!デュース!」
「に…げろ……」
血は止まらないし目も開いていない、意識なんてほぼないであろう状態のデュースがそう言って私の背中を押してきた
だめだよ、あなたを置いてなんて行けないよ
その生き物は何かを確認しているのか私達のまわりをずっとウロウロしている
このまま逃げれば助かるかもしれない
今の時間保健室はやっているだろうか
考えながらもなんとかデュースを運ぼうと抱えるが全く持ち上がらない
ああ、ジャックと一緒にトレーニングしとくんだったな
なんて過去のことを悔やみながらも
なんとか腕だけでも持ち上げ、肩にまわす
早くしなきゃ、この生物がまた襲って来る前に…