第2章 ふわりととけた
デュースを抱えてさっていったケイト先輩を見送り
「たまには先輩の威厳を見せなきゃな、ケイト!」
「いつでもいいよ、トレイくん♪」
マジカルペンを握り直してその生き物へ向き直す
「ユウちゃんは危ないから避けててねー」
「ほら行くぞ」
振り返った先輩の顔も声も恐怖なんて微塵も感じられなく、2人とも笑顔を浮かべていた
恐怖よりも私へ安心を与えてくれた
呪文を唱えてマジカルペンから攻撃を繰り出す
それを器用に避けていくその生き物
「ケイト!挟み撃ちにするぞ!」
「OK〜」
挟み撃ちにするために二人はバラバラの方向に走った
ひるまずに立ち向かうあたりさすが3年生といったところだろうか、右に左から何度も魔法を打ち込んでいく
「ちょ…なにこいつ全然効かないじゃん」
しかし、いくらあててもあまりダメージがないのかその生き物が弱る様子は見られない
「先生たちはまだか?」
「そんなんわかんないよ!オレくんたちに聞いてよ!」
「もっと強い魔法を使わないとだめなのか?」
「そんなのオレたちがオーバーブロットしちゃうよ!?」
「そんなこと言ってられない、だろ!」
全く効いていない状況にさすがの先輩達も焦りを見せる
その生き物は噛み付こうとしたり、前足を振り回したり、尻尾を振り回して暴れている
「あぶなっ」
あやうくしっぽがトレイ先輩に当たるところでギリギリで避けることができたがよろけて転んでしまった
「しっぽだけなのにとんでもない威力だなこりゃ」
「トレイくん大丈夫!?」
も〜トレイくんしっかりしてよ〜とトレイ先輩のもとにケイト先輩が駆け寄った
「悪いわrケイト!!!!」
駆寄ろうとした瞬間ケイト先輩の背中にしっぽが当たった