第43章 3度目のバレンタインデーは…前編 お相手:煉獄杏寿郎現パロ
「まぁ、あまりふざけすぎると
怒られてしまいそうだからな。
悪ふざけはこのぐらいにして置くか
みくり、なら、普通に歩くか?」
恋人繋ぎ…じゃない
普通に手を繋いで
普通に歩いてるだけなのに
どうにも ソワソワして落ち着かない
その理由はきっとさっきのアレで
元々デートの時に手を繋いでたら
落ち着かない気分になっちゃうのは
自分でも自覚してたから
「ねぇ、杏寿郎…その、
腕組んでもいい?」
「俺は別に構わないが
…いいのか?その」
手を繋ぐよりもかなり姿勢も
密着した体勢になるし
生真面目な性分をしてる彼女にしては
こんな明るい場所でそうしたがるなんて
大胆な行動に思えて仕方ないが
杏寿郎の左腕にみくりが
両腕を絡めて身体を押し付けて来て
自分の二の腕の辺りに
柔らかい乳の感触が衣類越しにも
伝わって来るし
それに距離も近いんだから
彼女の香りが鼻先を掠めて来る
その表情を伺えば
まだ身体の芯の火照りの様な
熱はくすぶっているんだろうが
いや 違うか…
その様子を見て 熱がくすぶってるのは
俺の方かも知れんな
早めに少々煽って置いたら
焦らされて我慢した分
後で燃えるかとも思ったが
「落ち着かないなら、
少し身体を離すか?」
そう提案をして
密着する程の距離だった身体を
杏寿郎が離そうとしたのを
ぐいっと上着をみくりの手が掴んで
それを引き留めて来て
「やっ、そうされるのはダメ」
「ダメなのか?
だ、だが…少しばかりだな、
離れた方がいいんじゃないのか?」
目の前のみくりが
その表情を曇らせて
「だって、そうされたら…
何か、寂しくなっちゃう…から。
ちゃんと、我慢する…し、このまま…」
「…っ、それは俺がダメだ」
杏寿郎が目を閉じて
自分の口元を手で覆いながら
こういう時のみくりは
ズルいとさえ…思う
俺を煽るのが… 上手すぎるからな
「え?杏寿郎…?」
何でと言いたげな顔で
みくりがこっちを見て来て
無自覚煽り程 罪深い物はないよなと
杏寿郎は内心考えていた
ぐいっと身体を両肩を掴まれて
離されてしまって
明らかに杏寿郎の様子が変だったし
まるで 付き合う前みたいな
微妙な距離を取って歩かれてしまって
変な杏寿郎…