第43章 3度目のバレンタインデーは…前編 お相手:煉獄杏寿郎現パロ
遊具のあるエリアを抜けると
のんびりと休日の
犬の散歩を楽しんでいる人と
ぐらいしかすれ違う事もなく
一気に人の気配がなくなって
再度杏寿郎が差し出して来た手に
自分の手を伸ばすと
そのまま手をギュッと恋人繋ぎにされてしまう
整えられた遊歩道を手をつないで歩く
「この繋ぎ方は、
嫌…だとでも言いたげだな?」
そう言われてギュッと
指を絡めたままで握り込まれると
握っている彼女の手がビクッと跳ねるのを
自分の手に伝わる感覚で感じ取った
絡めていた指を少しずらして
人差し指の先に彼が自分の人差し指の先を
合わせて来てチョンと触れて来る
人差し指にそうしながらも
中指と薬指にも同じようにして来て
その指が離れたと思ったら
指先で人差し指と中指の間と
中指と薬指の間の部分を
ねっとりとした手つきで撫でて来て
「ちょ…っと、杏寿郎っ
ふざけすぎ…じゃない?」
「手…を触ってるだけだろう?
別にやましい事は何もしてないが。
それをやましいと、君が勝手に…
感じてしまってるだけじゃないのか?」
そう言いながらも
つぃーっと三本の指の腹を使って
手の平を撫でて来るから
ゾクッとした感覚がそこから走るし
手を触られてるだけなのに
何やらどうにも 厭らしく感じるのは
気のせいじゃない…ハズ
「で、でもッ…触り方が
いやらしいっ…」
「手ックス…と言うらしいがな。
厭らしい気分になったか?」
そうニヤニヤと意地悪そうな
笑みを浮かべながら
杏寿郎が感想を求めて来たので
「知らない。答えないし…」
「そうやって、ムキになるって事は…」
フッと影が降りて来て
彼が距離を詰めて来たのが分かる
耳に吐息が掛かる距離で
耳介に掛る彼の息が熱く感じるのは
つまり…
手の平に手を重ねられて
そのまま撫でながら指全体を握られると
そのまま押し上げられて
手の平を上に向けられると
指と指を絡められて
その絡んだ指と指が
第二関節より深い場所に来ると
ビクッと思わずその手を
振り解きたくなるような
そんな 痺れの様な物を感じる
「こうされて…、
感じてるって証拠だろう?
みくり、違うか?どうなんだ?」
元々 手を繋ぎながらが好きな彼女だ
俺にこうされて 感じてしまって
この環境と状況が
余計に羞恥心を煽るだけなのだろうが