第43章 3度目のバレンタインデーは…前編 お相手:煉獄杏寿郎現パロ
まあ 泊まるんだから
慌てる事も何も無いのだけど
目的地がラブホテルとは言えども
一時間半程度のドライブもする訳で
杏寿郎が良い感じそうなラブホテルを
幾つかピックアップしてくれてたから
一泊目は杏寿郎が選んだホテルにして
二泊目は私が選んだホテルにした
選んだ基準は バレンタインぽさで
そのホテルにしたんだけども
ラブホテルからラブホテルに移動する
連休を過ごすなんて…想像も付かなかったし
結構 県内とは言えど離れてるから
本当にちょっとした旅行気分になりそうだ
目的地に近くにある
他の人と同じ空間で食事をするのを
嫌うみくりの為に
個室で食事が摂れる店も探したし
そうでもしないと みくりは
外食には渋い顔をするからな
「荷物の用意はできたか?みくり
大きな荷物が纏まってるなら、
先に車に積んでおくが?」
「あ、うん。ありがとう杏寿郎。
そうだね、こっちのキャリーバック
積んどいて貰おうかな?
後は手短なのを別のに入れるから」
そう言って荷物の準備をしていた
みくりに杏寿郎が声を掛けて
既に纏まっていたキャリーバックを
杏寿郎に託すと
「ねぇ、杏寿郎…、茎わかめだけ
さっと茹でて、冷凍しといてもいい?
そのままにして置いたら、食べれなく
なっちゃうもん」
冷蔵庫にある残って居た
茎わかめが気になるらしく
みくりがそう申し出て来て
たかだか300円位の物に
そこまで拘るのは何故なのかと
杏寿郎は聞きたくもなったが
「茎わかめ位、無駄にしても…と
思わなくもないが…。好きだな…それ」
「何で、そんな事言うのっ!
茎わかめ美味しいじゃん。
茎わかめが出てきたら、段々と
春になって向かって行くんだなぁって、
そんな気分になるでしょ?」
「いや、俺はならないが…」
「さっと湯通しして、
マヨネーズ付けて食べてもいいし。
酢の物にしたっていいし、
きんぴらにしても美味しいし。
佃煮だって幾らでも食べれるし。
ツナと一緒に炒め煮にするのもいいんだよ?」
どれだけ茎わかめの事しか
頭にないのかは重々に理解が出来たので
傷むのを気にする彼女に
新しい物を買えばいいと
言い出しにくくなってしまって
「いや、もう…
何も、俺は言うまい。
君の好きにしてくれて構わないが?」