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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第42章 スルタンコラボ企画 上編 お相手:冨岡義勇



「美味しいです、とても。
これも、こちらも…。
でも……、みくりにも…」

同じ物を一緒に食べて
美味しいを共有したいと
考えている相手が居ない事に

小野寺が気が付いて
しゅんとして表情を曇らせる

「ああ。美味いな。小野寺」

隣から聞こえた声に
小野寺が顔を上げると
こちらを見て笑顔を向けている
杏寿郎と目が合った

「あっ、ええ、そうですね。
杏寿郎…さん、いえ、杏寿郎様」

そう慌てて 小野寺が
杏寿郎の呼び方を改めると

ヒュっと風が王宮の中に吹き込んで来て

バサバサっと一羽の鴉が
中に飛んで入って来る

その足には文が括り付けられていて

「ん?お前は…冨岡の鴉だな。
冨岡からの文か……どれ」

杏寿郎が その鴉を
自分の方へ呼び寄せると

その足に括り付けられている文を
取るとカサカサと折りたたまれていた
文を開いた

「あの…父上。義勇なのですが…。
その…王宮へは明日戻ると。
思いの外に、彼女の双子の
片割れの方は馬に慣れておらず。
長距離の移動で疲労してる様子なので、
今夜は城下のアジルダルの
辺りで宿を…との事ですが。
父上、如何になさいますか?」

「お前、その文に偽りは無いのか?」

そう槇寿郎が小野寺に
手紙の内容に偽りは無いのかと
確認をして来て

小野寺がその義勇からの手紙を手にして

その宿のある場所の地形や
周囲の様子を伝えると

杏寿郎にはどこの事か理解が出来た様子で

「ああ、あそこか、あの夕方に
君にガーネットを買ったあの店のから
ほど近い辺りだな」


杏寿郎の言葉に槇寿郎が反応を示して

「オイ。杏寿郎。アジルダルと言ったな
アジルダルの宝石商から
ガーネットを買ったのか?」

「ええ。買いました。必要になるので。
きっと、義勇もそのつもりにありましょう。
小野寺、あの、店の
ガーネットは持っているか?」

杏寿郎の言葉にあの店から
持ったままになっていて
まだその姿を見ていない

あのガーネットの存在を思い出した

「ええ。こちらに」

そう 小野寺が言って
自分の懐から
先程の店で買った ガーネットを取り出した

「見せろ」

そう槇寿郎が強い口調で言って来て
慌ててその布に包まれている
ガーネットの包みを解くと


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