第42章 スルタンコラボ企画 上編 お相手:冨岡義勇
その布の下から
鮮やかに光輝く大粒のガーネットが
姿を現して
その美しい輝きに
うっとりと小野寺が目を細めると
「凄い、綺麗な黄色のガーネットですね」
そうそのガーネットの色を称えて言うと
「君は何を言っているんだ?
そのガーネットはオレンジだろう?」
そう隣に座っている杏寿郎が
不思議そうな顔をしながら言って来て
「そのガーネットは深紅だがな」
そう槇寿郎が つまらないと
言いたげに吐き捨てる様に言うと
「色変わり……か、それも3色の
それは、無限の可能性を秘める石だ。
3色の加護など、滅多とて
受けられん。出来損ないの癖に
妙な強運と星だけはあるのか…、娘。
お前の名は?お前と、お前の半分の名は
何というんだ?」
そう槇寿郎が尋ねて来て
「スルタン様、私の名は
小野寺と申します。
私の、双子の妹の名は
みくりと申します」
ガタンと槇寿郎が
それだけ聞くと立ち上がって
そのままその場から立ち去ろうとする
「後は、お前等も好きにしろ。
アイツが戻らんのであれば、
明日またこの続きは改めて話す」
そう言ってそのまま
槇寿郎が晩餐会の場を後にして
広い部屋にポツンと二人だけになってしまう
突然にふたりきりになると
どうにもソワソワとして落ち着かない
夜になれば みくりに会えると
そう思って居たから急に今夜は会えないと
知ってしまって不安になって来る
「小野寺。ここでは広すぎて
落ち着かないだろう?どこか
もう少し、小さい場所を用意させよう。
ああ、そうだ、中庭がいい。
あそこで月でも見ながら夕食にしよう」
そう言って杏寿郎が
小野寺に向けて差し出して来た手を
小野寺が取ると
そのままその場を後にした
月に寄り添いし星 上編
ー”目覚めの朝”ー
ー 終 ー
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長くなっているので、
ここで 一旦切ります。
目覚めの朝が終わって、
夜のシナリオになるので。
下編にする予定ですが、長くなりそうなら
中編にタイトル変更するかもです。